今回のお客様は、サモエドのノア君。
ノア君は、以前にもmy little dogであみぐるみを作らせて頂きました。
ノア君は、あれから間もなく、わんこさんには珍しいという、胃癌になってしまったとのことです。
原因をみつけるため、また検査・治療・手術のために、ノア君のお腹のまわりの毛は刈らなければなりませんでした。
そして、その毛も伸びることもなく、ノア君は天国へ旅立ちました。
ノア君はきっと、自分の真っ白でフワフワな毛を誇りに思っていたことでしょう。
がんばって元気になるぞ、ってきっと思っていたと思います。


左 病院の帰り道寄った海岸で 楽しいひととき
右 大好きな兄弟と・・病気の為、体がずいぶんと小さくなってしまったそうです。


ノア君ががんばる姿、papikanoもお写真で拝見させて頂きました。

つらい中でもノア君の顔はいつも微笑んでいるようです。
今回は、そんな病気と闘う中、一生懸命に残してくれたわずかな毛でノアぐるみを作らせて頂くこととなりました。
毛を梳かすこともつらいだろう、ということでお母さまもなかなか櫛を入れることが出来なかったそうです。
しかし、9歳のノア君が一生懸命に生きた証 5gというとっても貴重な毛がpapikanoのもとへ遊びに来てくれました。
こころをこめて、元気な姿のノア君をまた復活させたいな。


こちらのお客さまは、ノア君の弟分になるリオ君です。
一番末っ子ということもあって、とっても甘えん坊さんだとか。
現在は3歳なのですが、集めていただいた毛は1歳のときの毛なので、今回は1歳のリオぐるみが出来ますね。
小さな頃は毛が少なかったそうなのですが、大きくなるにつれて毛もふさふさになってきたそうです。
そんなリオぐるみもフサフサになる予定です。

 

ノアくんのほんのわずかな毛と、リオちゃんの真っ白でフワフワな毛が届きました。

ノアくんの毛は、5g 、そして、リオちゃの毛は50g ありました。

 


こちらは、リオ君の毛糸になります。
リオ君は毛ぐるみ風のあみぐるみになりますよ。

 

お待たせしました。
リオぐるみ完成しました。
リオ君は、いまでは毛がフッサフッサということでしたので、
リオぐるみもフッサフッサです。

 

 

 

 

ノアくんのあみぐるみは、毛の量からして、小さなmini2ぐるみになります。
お母さんのご希望は、小さくても良いので、胸毛をつけて欲しいとのことでした。
そこで、いろいろと考えた末、単糸にすることとしました。
通常あみぐるみさんたちは、双糸で編んでいますが、単糸とすることで、少しでも長くなれば・・・と思ったこととノアくんの毛は毛糸向きの毛のように感じたので、単糸でもなんとかいけるかも・・・と思ったからです。

そして、こうして、ノアくんが残してくれたわずかな毛で毛糸が出来上がりました。
思ったとおり、単糸でも十分いける毛糸が出来ました。
この毛糸、レース糸のようにとっても細いのですよ。

 

なんだか、ノア君の毛が毛糸になったことを喜んでいるように見えました。


ノア君のあみぐるみは、はじめは胸の毛だけでも普通の飾り毛をつける予定でした。
実は最初にそのご依頼を読んだときに、「出来ない・・・」と思いました。
毛を見る限り、どう考えても出来るはずがない・・・

しかし、そう思う反面、もうひとつの思いが私の頭の中にありました。
ノア君の毛、お手紙、そしてノア君の元気で毛がフサフサだった頃の写真、そして、病気と闘うために刈られてしまったお腹でありながら、微笑むような顔のノア君の写真。。。
どれもこれもがpapikanoの頭の中をグルグル回っていました。
ノア君の望みって何だったんだろう・・・
ひょっとしたら、もう一度以前のようなフサフサで元気な姿に戻ることが、彼の望みだったのかもしれない・・・
そう考えると、なんだかノア君が私に力を貸してくれるような気がしてきました。

もとの姿に戻してあげたい・・・
ということで、飼い主さまに相談してみました。
「毛ぐるみ風の飾り毛を付けることが出来るかもしれない、全身は無理かもしれないけれど、胸の毛だけは出来そうだ」ということを・・・
すると、飼い主さまからは、出来ることならば、全身 毛ぐるみ風にしたい・・・というお返事を頂きました。

そして、やはり、ノア君は力を貸してくれました。
そして、なんとほぼ全身毛ぐるみ風にすることが出来たのです。

 

 

そして、リオ君の毛を借りることもなく、すべての毛がノア君の毛だけでこのノアぐるみを作ることが出来ました。
小さなものになると言っても、やはりそれなりの存在感がなければいけない・・・
手のひらに乗るサイズでもノアぐるみとしての存在感はあると思います。
元気な頃の姿に戻してあげられてほんとうに良かった・・・と感じました。

2005.12.26